今日の患者様は60代の男性。
元々、上顎に動揺の大きな歯が4本残っていた方で、当院で1か月ほど前に抜歯し、総入れ歯を使って頂いておりました。
この患者様の場合は、抜歯と同時にインプラント埋入するよりも、1度傷口が安定するまで様子を見た方が良いと思ったので、抜歯から1か月ほど経過観察し、今日、ようやくインプラント埋入になりました。
オペの事前にシンプラントでシュミレーションし、サージガイドを発注。
スウェーデン製アストラテックosseospeedTXの直径4.0mm長さ11mmを4本、直径3.5mm長さ11mmを4本。
静脈内鎮静下でサージガイドを使い、合計で上顎に8本埋入しました。
今日のオペの中で、普段と違う点は、暫間インプラントを5本埋入したことです。
暫間インプラントとは、本来のインプラントとインプラントの間に埋入する細いインプラント(ミニインプラント)で、本来のインプラントが顎骨に固定されるまでに仮歯をセットするために用いる一時的なインプラントと思って下さい。
患者様の骨の状態が良好な場合は、即時荷重が適応出来るケースもあり、本来のインプラントの上に、当日仮歯をセット出来ることもあるのですが、骨の状態がよろしくない患者様には仮歯をセットせず、本来のインプラントへの負荷をなくしてあげることの方が、インプラントの固定を確実にすることが出来ます。
が、その間はインプラント埋入部分に当たらないよう調整した総入れ歯を使って頂くくらいしかありません。
インプラントを希望される方の理由の1つでもあり、「総入れ歯はイヤ」と仰る方の比率の高さを考えると、僕としては「出来るだけ仮歯を入れてあげたいなあ」と思う訳です。
そういう患者様のために開発されたと言っても過言ではないのが暫間インプラント。
インプラントが安定するまで暫間インプラントに仮歯を支えて頂くことになります。
当院で使用している暫間インプラント(ミニインプラント)はインプラテックスのMK-2 MTI イントロダクトリーというものです。
暫間インプラントは本来のインプラントよりも直径はかなり細く、本来のインプラントの固定を確認したら「お役御免」で撤去するものですから、埋入と同時に仮歯をセットして、負荷をかけて、暫間インプラントが多少グラグラしても問題はない訳です。
本来のインプラントの固定を確認出来るまでの期間(最長でも6か月)だけ、仮歯を機能させて貰えればいいのです。
実は、ここだけの話ですが、今日の患者様のお見積の段階ではインプラント6本で済むだろうという予定でした。
お見積後、シュミレーション段階で8本必要なことが発覚しましたが、当院はお見積以上の料金は頂かない方針ですから、インプラント本体の料金は6本のまま8本埋入。
オペの当日、患部を切開し、骨の状態を確認したところ、仮歯をセットするためには骨の状態が予想より思わしくない状態だったので、急きょ暫間インプラントを使うことにしました。
が、これもお見積段階では話をしていませんでしたし、僕の判断で追加したことですから、こちらも料金は頂いておりません。
はい、ブログをご覧の皆様の予想通り、スタッフから
「追加料金を一切貰わないって、儲ける気ありますか?!」
と怒られたのは言うまでもありません(泣き)